Cross Coltural Artisan Association

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バティックとは

 バティックはインドネシアの蝋けつ染めです。江戸時代には、インド更紗などとともに日本にも伝わり、ジャワ更紗の名前で今日まで親しまれてきました。18世紀後半〜19世紀に最盛期を迎えたバティックは、世界中に広がり人気を博しました。
 マレーシア、タイ、オーストラリアなどの蝋けつ染めに影響を与え、アフリカにも渡りアフリカンプリントの源流ともなりました。世界中で蝋を用いた模様染めを表す単語が“BATIK”となっている事からも、その影響の大きさが伺えます。

バティックの衰退

 インド更紗がフラワームーブメント等に取り上げられポップカルチャーに乗り、70年代、90年代、現代に至るまで生き残ったのに対し、バティック(ジャワ更紗)は80年代、90年代に大きく衰退してしまいました。理由は、インドネシア人自身がバティックを「時代遅れの布」と認識してしまった事が大きいと考えられています。そのため現代の染色技術に追いついておらず、失伝してしまった部分も少なくはありません。
 また90年代以降はプリント技術が発達し、安価なバティック柄プリント布が席巻した事から、価格競争で負けてしまったバティックは急激に流通しなくなりました。更には、多数の人々がこのプリント布をバティックと信じて売買してしまっている状況です。

バティックの再評価

ユネスコの世界無形文化遺産に登録される(2009年10月)

バティックはその高い技術やデザインに加え、インドネシア人の精神性、文化像を、余すところなく表現した世界最高峰の模様染めです。 2009年10月には、ユネスコの世界無形文化遺産に登録され、インドネシア国内の中流層や富裕層に、インドネシアの誇る文化財としてバティックを見直す動きが強く需要が高まっています。ドレスコードをバティックとする場も増えており、インドネシア政府も毎週金曜日はバティックを着用する日と定めています。

ヨーロッパ最先端のファッションデザイナーたちに注目され始める

2010年にはファッションブランドの、Dries van notenがバティックを大々的に取り入れたコレクションを発表しました。2012年にはヴェルサーチやアルマーニといった高級ファッションブランドがバティックに注目し、デザインに取り入れるようになりました。そのおかげでインドネシア国内でもバティックが再評価されてきており、インドネシアの若者の間にも「バティックを着たい」という兆候が表れはじめたのは喜ばしい事です。